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表板へのバスバーのニカワ付けが完了しましたら、平のみ・ナイフ・ヤスリそして時にはスクレーパを用いてバスバーとしての形状を作っていきます。

​この形状は、バスバーを側面から見たときに中央辺りで緩やかな凸面を持ち両端に向かって大きく裾が広がった独立峰のような姿をしています。

そして、その山頂の緩やかさや裾の広がり具合は製作者により様々ですが、山頂の高さは13mm、両端は4mmの高さから表板の内表面に段差なく溶け込むように仕上げるという作り方は概ね標準的であるように思われます。

また、バスバーの断面形状としては27cmの長手方向全てにわたり上部を半円形状に仕上げます。その結果、斜めにカットされたバスバーの両端面は半長円(放物線?)となり美しい姿を見せます。といっても完成した楽器では見ることはできませんが、、、。

ただし、以上の内容につきましても、やはり製作者により微妙に異なります。

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完成はこのような形になります。

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どのようにバスバーを仕上げるかにより、その楽器の音響特性が大きく変わることになります。

この音響特性の確認は楽器が完成してから(即ち表板をつけてから)結果が分かることですので、完成した楽器の特性を変更したいと思ったときには一度表板を外さなければならないことになります。 正直、これはあまりしたくない作業です。
従って、この時点でどのような音響特性を持った楽器になるのかを予想しておきたいのですが、やはりなかなか難しいことであると私は思います。
表板のアーチ形状・厚み、そしてこのバスバーの削りが大変重要な要素を持っていることは確かですが、そのそれぞれについての完璧な見識が欲しいと思いながら製作しております。この辺りの技術的なレポートも全く無いわけではありませんが、私が思うにここは職人の"勘"が大きな力となるのではないでしょうか。私は表板を中指の第2関節で叩いて出てくる音を聞いて「ふむふむ」と言いながら判断しています。
難しいですが、どのような楽器になるのか想像しながら製作していく過程も楽しいところではないでしょうか!

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