横板と裏板のニカワ付けが終わった後、横板から内型を取り外すわけですが、この際に少しでも内型を取りやすくするために(この作業は簡単ではありません!)ブロックと内型の接触部分を出来るだけ少なくしておきたいという考えから、ボディーの構造上、必要のない部分のブロックをあらかじめ落としておきます。具体的にはコーナーおよび上下ブロックの角の部分を以下の説明の画像のように加工します。 赤の斜線部分を削り落としますが削り取れるのはブロックの表面(木口面)から内型のところまでとなります。
この作業の後に型外しとなります。
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横板の高さが最終目標値になってないことと、表板に接着する部分のブロックの表面(木口面)もザラザラ状態なので定盤である程度仕上げておきます。ある程度というのは、型が取れた後で表板をニカワ付けする際に最終的に正確な高さに加工します。これは、型を付けたままのほうが定盤ヤスリで削りやすいのですが型を外すと横板の形状が変化しますので、表板とのニカワ付けに当たっては変化した後の正確な寸法で行いたいと考えるためです。
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左記の定盤ヤスリの大まかな削りが済んだら下の画像のように6個のブロックの赤い部分をそれぞれ平ノミ・丸ノミで落とします。この部分はブロックを型に付けるときにニカワを付けたところとなります(ニカワはブロックと型との接触面すべてに付けないようにしたと思いますが、、、)。
その後、ブロックと型の隙間にヘラを入れ(おそらく隙間はないと思いますのである程度強引にヘラを差し込みます)、ブロックを型から慎重に外していきます。
この時にブロックが型にニカワ付けされているところを完全に外すわけですが勢い余ってヘラが裏板を傷付けないように注意してください。心配な方はクランプで固定するための穴(青い印)から裏板を保護出来るような物(薄板、布等)を入れておくと良いでしょう。
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6箇所のブロックの処理が終わったら、下の画像の道具(単体写真を取り忘れ・・・。次回の更新でアップ出来ると思います。)で蝶ナットを回すことによって型を持ち上げていきます。
蝶ナットにかみ合っているボルトは先がL字状に曲がっていてその部分を型に引っ掛けて(この画像では型の下の面に)あり、角材の両端はブロックに当たるようにセットします。
したがって蝶ナットを回すことによりボルトが引き上げられて型が上部に上がってきます。左右の引き上げ具合を均等にしながら少しずつ型を持ち上げるように作業します。因みに、この道具は当工房のオリジナルアイディアですが、最近はあまり使わないこともあります…。
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ある程度、上がってきたら次はクランプ固定用の穴に指を入れます。そして、その固定用の穴のブロックの面をハンマー叩きます。
これは、ブロックを下に落とすような、あるいは型を上にあげるような気持ちで行います。少々乱暴ですが、そして穴に入れた指が痛いですが頑張って、そして慎重に行ってください。
この際、ブロックの表面が痛まないように当て布をしてハンマーでブロックの部分を叩いていきます。布でブロック面が分かりづらくなりますが正確にブロック面を狙うことが大切です。ブロック面を外すと近くの横板を欠いてしまったりするので気を付けてください。