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6-e-1.取り付け(1)

ここでは、ボディーとの接合部分のネックの成形加工について記載します。

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先ずは、ネックがボディーの上ブロックに作ったほぞ穴に接着される面の平面を作ります。

この平面はネックと指板の接合面に対して概ね83度の傾きを持ちますが、最終的にはボディーに取り付ける際に指板のボディーに対する傾斜の程度から決めます。また、上ブロックのほぞ穴に接着される面までのネック長さは指板の先端(ナット側)から136mm程度のところでつけられることになりますが、少し余裕を持たせてこの作業の時点では140mm弱に取っておくと良いかと思います。その他に、この面はネックの中心面に対して垂直になっているということも重要です。

上記の内容を考慮してノコギリで余分な部分を切り落とし、その後で定磐に貼ったサンドペーパーを使って正確な平面を作り出しますこの平面性を確認するためには定規等の直線部分を加工面に当てて裏から光を入れていくつかの方向について確認をするようにします。この平面性が甘いと、後々、楽器のネック下がりや最終的にはネック外れの要因となりますので正確に仕上げなければなりませんが、後でボディーにニカワ付けする際に再調整が必要になると思いますので、この時点では完璧な状態でなくても良いかと思います。

​製作工程 メニュー

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ボディーの上ブロックの形状は、ほぞ穴を正面から見たときに上辺が長い台形に作られ、ここにネックが上から(表板から裏板方向に)スライドしながら押し込まれてしっかりと接合されます。この台形形状をネックにも同様に作ります。

台形の長い辺はその部分の指板と面一になるようにし(大体33mm程度になると思います)、反対側の狭いほうは指板直下から40mm下がったところで23mmになるように左右に振り分けます。以上の点を直線で結んだ状態が下図中央の画像となります。

このケガキが描けたら、ネックの底部(指板合わせ面と平行な面、厳密には平行ではありませんが)に上記の2本の延長線の先端を起点にしてネック中心線の両サイドに中心線に平行に2本の直線を引きます(下図右画像)。

これらのケガキ線から外の木を落とすことにより、ネック先端のボディーのほぞ穴に入る部分の形状が概ね完成します。

実際の取り付けは、ほぞ穴側の形の様子を見ながら行うので、ネックとほぞ穴のそれぞれを微妙に調整しながら行います。

ところで、この画像では見にくいかもしれませんが、ネック材を直方体にするための木が接着されています(中央画像の年輪の太い部分)。

この後の加工で予定通りこの木は落とされています。

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落とす部分が決まったら、注意しながら、そして大胆に出来るだけ多くの範囲の木をノコギリで一気に切り落とし、その後で丸ノミなどを使いケガキ線近くまで余分な木を徐々に削り落としていきます。怪我をしないよう充分に注意をしてゆっくりと作業をしてください。

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ノミでケガキ線近くまで削り落とせましたら定磐ヤスリを使って指板とネックとの段差がゼロになるようにします。この“ゼロ”は指で触って感じる段差がなくなるようになれば良いのですが、そのことばかりに注目していると予定外のところも落としてしまう可能性もあるので注意してください。

下の左の画像は紙ヤスリを貼った定盤を真上から撮影したものですが、左半分の白いものはネックの竿の部分とスクロールを紙ヤスリで傷めないように保護する目的で紙ヤスリの上に置いた厚紙(古い月のカレンダーですが)です。右の画像が以上の作業がすべて終わった様子です。

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