top of page

6-c.指板の加工

6-b の平面出しが終わったら指板の加工を行います。


**********
最初に指板の表(曲面側)を作成します。

指板の曲面側は中央がわずかにへこむように反った形状にします。

これは弦を押さえこんだ際の弾き心地等に影響する演奏上の重要なポイントとなります。

右の写真で指板にあてた定規から中央部分において光が見えているのが、その様子を現しています。この隙間は厳密な数値があるわけではなく概ね1mm強といったあたりと考えています。

この加工はスクレーパーを使い、指板の中央部分から指板両端に向い徐々に少なくしながら落としていくということになりますが、後述するように42R形状も正しく形成する必要があります。難しい作業であるかと思います。


**********
次に指板中心線に対して垂直方向(右図赤線)の形状を42Rの曲面に仕上げます。この作業は上述しました指板中央のへこみを作る作業と同時進行になります。 スクレーパーで指板表面の形状が出来ましたら、先ずは120番ぐらいのサンドペーパーでスクレーパー跡を消すようにしてその後で320番程度のサンドペーパーで仕上げます。

(注記)この加工が概ね完成している指板も市販されているようです。


 

 

 

 

 

 

 


 

**********
指板の表側の加工が終わりましたら、次に指板の幅を完成寸法になるように大かんなで両サイドを削っていきます。

指板とナットが接着されるところ(写真では左側)で24.5mm、指板の先端(写真では右側)を42mmにします。

右の画像では指板を固定するための2つのクランプの保護として板を挟んでいるため少しわかりにくいかもしれません。

siban-3.gif
siban-4.gif
siban-2.gif
siban-1.gif

**********
42Rの曲面の確認のためにあらかじめゲージを作っておくと便利です。右のゲージは自作のものでバイオリンの材料(カエデ)の端材で作ったものです。

siban-42r.gif

**********
最期に指板の裏側をU字形状に彫ります。

市販の指板は既にある程度の状態まで加工が済んでいると思いますが、指板の先端から125mmのところまでU字先端を伸ばします。

この先10mmほどの余裕を持たせてネックと指板がニカワ付けされることになります。最終的に赤線の様な形状になるようにし、最後がスクレーパーや紙やすりで丁寧にきれいにしておきます。

楽器になってしまうと表からは見えない部分ではありますが、やはり手を抜くことが出来ません。

siban-5.gif

​製作工程 メニュー

**********

指板の加工が終わったらネックと付けます。→ 6-d.指板とネック

bottom of page