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6-e-3.取り付け(3)

6-e-2.取り付け(2) でネックおよびボディーのすべての準備が出来ましたらネックをボディーにニカワ付けします。

取り付けが前章で記載しました“正しい状態”であることを4つの要素で確認しながら作業を進めていきます。

ただし、4つの要素のうち 1.の27.5mmの確認は指板をクランプで留めるため難しくなります。その代替えとして指板の先端で表板から指板の最も高い場所での距離を確認しておきます。概ね20.5mm程度になっているかと思いますが、参考数値として取り付け前にあらかじめ測定をしておいてください。

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この時のポイントは角度に気を付けてブロックにあけたほぞ穴に隙間が出ないようにネックを押し込むわけですが、ネックを表板のほうから裏板のボタンに向けて滑らせるように押し込むという感覚が必要です。一気にボタン側まで滑らせるのではなく表板に戻すように2,3度ネックを上下に滑らせて、ほぞ穴とネックの間に存在するニカワをまんべんなく接合面に行き渡らせるような気持ちで押し込みながら、徐々にボタン側に滑らせていくようにしていくとボディーとネックの密着度が確実になるかと思います。ところで、最後の押し込みでピタリと合った瞬間にニカワが飛ぶことがありますので、周囲に、そして目に入るようなことがあったら大変なので注意してください。

​製作工程 メニュー

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ネックとボタンに当て木をして、しっかりとクランプで締めます。傷をつけてしまわないようにとの保護のためですが、特に指板の当て木は指板に当たる面は指板同様に42Rの凹面で作られていて指板にクランプをかける際に不安定になるのを防いでいます。42Rの凹面に皮を貼り自作したものです。

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ボディとネックのニカワ付けが問題なく完成したら、クランプを外し(接着の翌日に外しています)ボタンおよびその上のネックの形を整えます。

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裏板のボタンとなる部分に、縁より外側12mmのところに中心線(接ぎ合わせ面と一致していると良いのですが)と垂直に直線を描きます。

厳密に考えれば、この部分は裏板の形状の一部として曲線となっているはずですので外に12mmが取りにくいのですが、ボタンの両サイドと交わる裏板の縁の2点を直線で結ぶようにして、この直線の12mm上に平行な直線を引くことで行っています。

​そして、この平行線およびボタンの両サイドの2直線の、これら3直線に接するように直径22mmの半円を描きます。

したがって、ボタンの形状は幅が22mm、高さが12mmの半円(正確には高さが11mmではないので長円形)となります。

このケガキ線を参考にボタンおよびその上のネックの形を整えます。

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角度が分かりにくいですが、大方このような感じになります(まだ加工の途中です)。

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最期に仕上げとして今まで加工したところをナイフ・ヤスリなどできれいにします。この時に、ボタンの完成と同時にネックの裏(演奏時に左手親指の当たるところ)の形状も整えますが、これに関しましては後ほど他の章で記載したいと思います。

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